キリスト教信者では無い私にとって、司教の動向がどうであろうとどうでも良い事なのだが、今回は一寸気になったので書き留めて置こうかな。
二月の始め、英国出身Richard Williamsonに司教の座を再び与えた事で、ドイツ首相メルケル女史が公然とドイツ出身の法王ベネディクト16世(Joseph Ratzinger)を非難したのは記憶に新しい。キリスト教の中にも保守的、更に傾右な組織があると聞くが、まさかホロコーストを否定する聖職者が居るとは、このニュースを聞く迄知らなかった。
そうでなくてもカトリックから脱会する信者が激増して困って居る矢先、勿論このニュースで拍車が掛かった。この騒ぎの熱が冷め遣らない内に、今度はオーストリア国内はリンツの司教にGerhard Wagnerと言う神父が指名されて大問題となった。この人は流石にホロコースト否定は未だしていないが、ハリー・ポッターを「オカルトや悪魔崇拝を唆す書物」とし、2005年ニュー・オリンズを襲ったハリケーン・カタリーナを、その犠牲となった数々の堕胎を許す病院や、その二日後にデモを企んでいた同性愛者に対する「天罰」だと言い、「同性愛は治癒しなければならない病である」と断言している。
実際、リンツを首都とするオーバーエーストライヒ州からは、別の3人が司教候補としてヴァチカンに申請されていた。それを全く無視しての決断である上、この神父のテレビでのこうした発言が信者や知識人のあからさまな反発を受け、信者脱会に歯止めが利かなくなったのを恐れ、オーストリア司教が緊急会議を決定。
その会議が決行される直前、Gerhard Wagner自身が司教を辞退した。本人は「この決断で、自分自身も楽になった」と言っている。元より「教会の上下関係は神聖な規律であり、素人との議論等在り得ない」と言う人だから、只の神父から司教になれる事は、彼にとって大きな意を成した筈である。
何れにせよ、今の法王が前任のヨハネ・パウロ2世の努めた方向に堂々と背を向けて居る事は確かである。「愛」が真髄の筈の信仰が、「差別」を厭わない者に導かれる様になる事の恐ろしさに対し、しっかり意思表示をしたオーストリアに脱帽した事件だった。
Tags: ベネディクト16世, Gerhard Wagner, Richard Williamson, 司教
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June 15th, 2009 at 4:01 am
突然の投稿失礼致します。
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